前回の「ムダ会議改善《初級編①》会議時間と会議コスト」では、
一生涯に会議の時間がどれくらいあるか、一回の会議にどれくらいのコストがかかっているか、業務で多くの時間やコストがかかっている会議を改善することの大きなメリットについてと、
会議改善のコツ①として「会議のゴールを設定」をご紹介しました。
ポイントは、会議後に参加者が次のアクションができる状態をゴールに設定することでした。
会議改善のコツ②:アジェンダを設定する
これも王道です。
皆さんは、会議のアジェンダを作られていますか?
例えば、これは会議改善の講座でのアジェンダですが、
以下のようなイメージです。
【アジェンダ】
1.会議改善の必要性(15分、村田)
ゴール:会議改善の必要性を実感し、改善したい!と思う状態
2.会議改善の方法(35分、村田)
ゴール:コツを理解し、次回の会議から実践していただける状態
3.まとめ・質疑応答(10分、村田)
ゴール:本日の会議の不明点がなく、改善を始められる状態
ポイントは、議題、時間、担当、ゴールを設定することで、
WBSと同じです。
システム開発プロジェクトでは、必ずWBSを作ると思います。
WBSでは、誰がいつまでに何をするかを一覧で管理できますが、
アジェンダなしで会議を始めるということは、
WBSなしでシステム開発を始めるのと同じです。
やっぱり、これも『会議』だと見過ごされがちですが、
普段、WBSを作成されていれば同じようにできるはずです。
そのため、アジェンダを設定するだけで会議の効率が改善できます!
アジェンダの効果
アジェンダを設定すると、下記のような効果があります。
アジェンダの効果①:ペース配分しやすい
1.会議改善の必要性(15分、村田)
2.会議改善の方法(35分、村田)
3.まとめ・質疑応答(10分、村田)
と、時間を区切っているので、途中で、
例えば、15分になっても「1」が終わっていないと
「このままのペースでは終わらない!少し急がないといけない!」
ということに気づきやすくなります。
アジェンダの効果②:事前にやることが明確になる
誰がどのくらいの時間で何を議論するかを事前に洗い出すことによって、
- 会議には誰が必要か?(余計な人を呼ばなくて済む)
- 限られた時間内で優先して確認や決めないことは何かを自然に考える
- ゴールや議論ポイントが何かを事前に提示することによって参加者が準備して会議に臨める
などの効果があります。
アジェンダの効果③:見積精度があがって会議時間内に終わりやすくなる
これはどういうことかというと、各議題に対して「これはこれくらいで終わるだろう」と見積もるため、だんだん慣れてどれくらいの時間がかかるかがわかるようになり、見積精度が向上します。
結果、決まった時間内に会議が終わりやすくなります。
会議改善のコツ③:まとめ時間を設定する
会議の終わりに、議論した内容のまとめや振り返りの時間を設けているでしょうか?
会議で議論した内容をまとめたり、振り返ったりしないのは、
作成物のレビュー(チェック)をしないのと同じです。
システム開発では、作成物に対して、
・漏れがないか?
・誤りや認識齟齬がないか?
をチェックするレビュー工程がありますが、
会議では、チェック工程がない場合が多く見受けられます。
そのため、
「〇〇という対応方針で行こう!」
と何をするかは話し合ったとしても、意外とそれはいつまでに誰がやるのかが抜けていたりします。
その結果、
「え、それって私がやるんでしたっけ?
てっきりAさんがやってくれると思っていました。」
会議中に
Aさん:「Bさん、これはいつまでにできますか?」
Bさん:「すいません、すぐには回答できないので後から回答します。」
と言って、回答がないまま。
ということが普通に起きます。
会議改善のコツ③のポイントは、
まとめ時間を会議の最後に5分や10分設定し、決定事項とToDoを確認
することです。
より具体的には、テキストエディタでもいいので画面に映して参加者に共有しながら、文字として書き出し、皆さんの認識を合わせます。
ToDoに関しては、
「誰が(Who)、いつまでに(When)、何をするか(What)」
を明確に書き出して、認識を合わせます。
大体の場合、何をするかは議論して決まっているため、
まとめの時間に「誰が、いつまでに」が漏れていないかをチェックします。
実は、ただこれだけで会議後の進捗がよくなります。
せっかく議論して決めた内容なのに実行されなかったら、
それって「ムダな会議」になってしまいますよね?
そのため、まとめや振り返りを行うことがとても重要になります。
会議改善のコツのまとめ
ムダ会議をかんたんに改善するには、3つのことを設定するだけです。
- 会議のゴールを設定
- アジェンダを設定
- まとめの時間を設定
会議のゴールを設定し、各議題の担当者・時間・ゴールなどを記載したアジェンダを設定し、最後にまとめの時間を設定して振り返って決定事項やToDoを確認すれば、その会議のOutputが確実にレベルアップします。
会議をシステム開発に置き換えてみると、以下のようになります。
会議改善のコツ①:会議のゴールを設定する
ゴール設定があいまいなまま会議を始めるということは、
要件があいまいなまま開発を始めるのと同じです。
⇒ そのため、議論がまとまらなかったり、違った方向に行きやすくなります。
会議改善のコツ②:アジェンダを設定する
アジェンダなしで会議を始めるということは、
WBSなしでシステム開発を始めるのと同じです。
⇒ そのため、時間通りに終わらなくなりやすいです。
会議改善のコツ③:まとめ時間を設定する
会議で議論した内容をまとめたり、振り返ったりしないのは、
作成物のレビュー(チェック)をしないのと同じです。
⇒ そのため、抜け漏れや認識齟齬が起きやすくなります。
システム開発で普通にやっていることを会議でも普通にやるだけで改善されます!
ぜひ、試してみてください!!
これで、ムダ会議改善のコツ(初級編)を終了します。
