信頼できる情報の見分け方『商品紹介記事の裏側』

ノウハウ

生成AIの進化によって、「情報洪水」に飲まれそうな状況です。
この情報があふれる時代に、本当に信頼できる情報を見分け、自分自身を守る力が、これまで以上に重要になっています。

今回は、どのように情報を見極めればよいか、考えていきます。

商品・サービス紹介記事の裏側にある「ベクトル」とは?

皆さんは、商品やサービスの紹介記事を読むときに、どんなことを意識されているでしょうか?

1982年に発売された私が大好きな小説『銀河英雄伝説』シリーズには、こんなセリフがあります。

世の中に飛びかっている情報ってものには必ず「ベクトル」がかかっているんだ。つまり、誘導しようとしていたり願望が含まれていたり、その情報の発信者の利益を図る方向性が付加されている。それを差し引いてみればより本当の事実関係に近いものが見えてくる。

アニメ『銀河英雄伝説』第39話

ベクトルは「向き」と「大きさ」を持つ量のことで、「どの方向に、どのくらい」進むかを示す矢印のようなもので、情報の世界では情報発信者の「意図」や「思惑」と捉えてもらってもよいです。

「なんか、すごく特定の方向に誘導しようとしているな」
と感じたら、それは大きなベクトルがかかっているサインかもしれません。

特に、特定の商品やサービスを強く勧めている場合は、その理由を考えることで、情報発信者の意図が見えてくることがあります。

そこで今回は、出版社のWeb事業部での経験を基に、商品・サービスの紹介記事で、書き手が商品を強く勧める理由を、深堀りしてみたいと思います。

商品・サービスを強く勧める理由:7つの視点

①「好き」という純粋な気持ち:商品・サービスのファンだから

記事の書き手がその商品・サービスの熱烈なファンで、その良さを伝えたいという情熱で強く勧めるケースです。この場合、熱意が伝わりやすく、読者の共感を得やすいというメリットがあります。

②読者の悩みを解決したい:読者の課題解決に直結するから

商品・サービスが、読者が抱える具体的な悩みや課題を解決する可能性が高いケースです。読者の満足度向上は、記事の信頼性向上にもつながります。

③間違いない事実の表現:独自性・優位性が明確だから

競合他社の商品・サービスと比較して、明確な差別化ポイントや優位性があるケースです。事実の記載が多いほど他の記事への説得力が高まります。

ここから徐々に商業的な理由が入ってきます。

④読者の期待に応えたい:読者のニーズに合致するから

読者の「こうだったらいいな」という期待に応えるケースです。読者の期待に応えることが、記事全体の評価につながります。

⑤ウェブサイトへの集客を増やしたい:SEO対策で有効だから

特定の商品・サービスに関連するキーワードで検索順位上位表示を狙うケースです。検索からの流入を増やすためにその商品・サービスの情報量を増やし、それが結果的に強く勧めているような印象になります。

⑥収入を得たい:アフィリエイト報酬が魅力的だから

アフィリエイトリンクを経由して商品・サービスが購入された場合、記事の書き手に報酬が発生します。特に報酬が魅力的な場合に強く勧めるケースです。報酬額が高ければ高いほど、優先順位が上がります。

⑦仕事の一環として:メーカーや代理店からの依頼だから

企業からのPR依頼を受けて記事を書いているケースです。その企業の商品・サービスを依頼内容に沿って、魅力を最大限にアピールします。

実際は、これら単一の理由ではなく、複数の理由が組み合わさった状態であることが多いですが、これらの理由を知ることで、

「なぜ、この記事(人)はこの商品・サービスをこんなに勧めているのだろう?」

と、発信者の意図に気づきやすくなります。

商品紹介記事で「信頼できる情報」を見分けるための5つのコツ

①記事の「目的」を推測 ★★★★★ 重要❗ 

前編でお伝えした通り、記事がどのような意図で書かれているのかを意識することで、情報の受け取り方が大きく変わります。

  • コツ: 記事が単なる商品・サービス紹介ではなく、販売促進や特定のアクションを促す目的を持っていないか意識しましょう。
  • ポイント: 記事の最後にアフィリエイトリンクが貼られ、特定の商品を強く勧めている場合は、情報が誇張されていないか確認しましょう。

②情報の「根拠」を確認 ★★★★★ 重要❗ 

商品の性能や効果について具体的な根拠が必要です。

  • コツ: 記事内で紹介されている効果や性能について、具体的なデータや調査結果が示されているかを確認しましょう。
  • ポイント: 「〇〇という調査結果がある」といった曖昧な表現ではなく、数字で表現されていたり、誰が調査した結果なのかが明記されているかを確認しましょう。

③「メリット・デメリット」を両方確認 ★★★★★ 重要❗ 

メリットだけでなく、デメリットや注意点もきちんと記載されているか確認することで、より客観的な判断ができます。

  • コツ: 記事が商品のメリットばかりを強調している場合は、注意が必要です。デメリットや注意点についても言及しているかを確認しましょう。
  • ポイント: 全体的にデメリットが記載されていない場合や、特定の商品・サービスだけデメリットが記載されていない場合は、複数の情報源を参考にしましょう。

④「体験談・レビュー・評価」の信憑性を確認 ★★★★☆

体験談やレビュー、評価は参考になる一方で、捏造や偏った意見である可能性も考慮が必要です。

  • コツ: 画像やレビュー文が、他の情報源と使い回しされていないか、オリジナル性が感じられるかを確認しましょう。レビュー文の一部をコピーして検索してみるのも有効です。
  • ポイント: 匿名でのレビューや、他のサイトでも同様のレビューが使い回されている場合は、信憑性が低い可能性があります。サクラチェッカーなどのツール活用もおすすめです。

⑤「価格」の妥当性を確認 ★★★☆☆

価格設定が妥当かどうかを見極めることは、損をしないために重要です。

  • コツ: 期間限定・数量限定などのキャンペーン価格の場合でも、市場価格と比較して妥当かどうかを確認しましょう。
  • ポイント: 価格だけでなく、キャンセル料やクーリングオフの条件なども忘れずに確認しましょう。

まとめ

商品・サービス紹介記事の多くは「販売促進」を目的と理解する❗

記事を鵜呑みにせず、批判的な視点を持って読むことが大切です。

複数の情報源から情報を集める❗

時間がなくて難しい場合もあるかと思いますが、少しでも違和感を感じたときは、できるだけ様々な情報源から情報を集めるようにしましょう。

Googleスプレッドシートに、「信頼できる情報を見分けるためのコツ」をまとめています。※商用利用可ですが、著作権は保持します。

信頼できる情報を見抜くためのコツdocs.google.com

信頼できる情報の見分け方の練習

最後に、商品比較の記事を例に、注意すべき点の確認です!

例:
商品A:激推しされている商品(最初に紹介されていることが多い)
商品B:競合商品、おそらくシェア1位の商品
商品C:競合商品、おそらくシェア2位の商品

記事の展開:
「商品BやCは以前は良かったけれど、最近はサービスが低下している。そのため、最近は商品Aがおすすめ!」という流れ。

商品Aはデメリットが書かれていたとしてもほぼダメージがなく、実際に使用して得られたと思われる情報や画像が少ない。

「今ならキャンペーンの特別価格でご提供!残りわずか、締め切り間近!」などの言葉で煽ってくる。

これはあくまで一例ですが、慢心せず、この記事でお伝えした5つのコツを意識することで、より良い選択ができれば幸いです!

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