システムエンジニアが起業するなら副業で個人事業でスタート
システムエンジニアとして起業するなら、「副業で個人事業」をお勧めします。
個人事業も法人も一長一短があり、起業したい人の目的や背景によって最適な選択は異なりますが、私の場合、副業で個人事業が最適と感じています。
以下、その理由です。
①小さく始めたほうがリスクが少ない

スモールスタートが基本です。
法人は手続きが煩雑でコストもかかるため、スモールスタートが難しいです。個人事業なら0円で開業でき、オンラインで税務署へ開業届を提出するだけで済みます。私はfreee開業を利用したので簡単でした。
仮に失敗して赤字になっても、個人事業ではイメージダウンの影響は少ないです。
②個人事業で開業すると法人設立の時の練習になる

個人事業と法人では異なる手続きや費用があるものの、
「こういう手続きが必要なんだ」
「こんなところにもお金がかかるんだ」
など、会社員時代には知らなかった多くのことを学べます。
マーケティング、お客様の対応、経理などを実際にやってみることで学べる点は多く、規模が小さいうちは損失も小さいです。
また、SNSでの情報発信は今や必須なので、法人設立後に学ぶよりも個人事業の段階で発信力を養っておく方が有利です。
知らなかったことを学ぶ機会が得られ、練習にもなるのでお勧めです。
③副業でできる

個人事業であれば、会社に勤めながら副業で実施できます。
会社で副業が認められているにも関わらず、よく思われていないケースもあると思います。
将来独立することを考えているのであれば、会社からよく思われなかったとしても安定収入を得ながら法人化の準備や練習ができることは、デメリットを上回るメリットになります。
起業で最大の不安である「資金面」での心配がいらないからです。
この精神的な余裕はのちのち効いてきます。
以上の3つの理由から「副業で個人事業」をお勧めします!
「個人事業」 vs 「法人」 比較
項目別に「個人事業」と 「法人」を比較しています。

私と背景や目的が異なる場合、結論が異なるかもしれません。
例えば、取引先が個人事業主との契約不可の場合や所得水準が1,000万円以上で税制が不利などの場合は「法人」になります。で、上記の表も参考にしていただければと思います。
それでは、法人を設立する場合は、株式会社と合同会社のどちらがよいでしょうか?
会社を設立するならどっちがいい?「株式会社」 vs 「合同会社」
私の状況(ITコンサル業務、従業員なし、オフィスは自宅、年間売上はXXX万円、初期費用が少額など)の場合は、どちらかというと合同会社のほうがよいと考えました。
「株式会社」 vs 「合同会社」比較

①信頼性
「合同会社」や「代表社員」の認知度はまだ低く、株式会社に比べると信頼性は落ちます。
しかし、近年合同会社は増加傾向にあります。
「e-Stat 政府統計の総合窓口」による2013年と2023年のデータを比較し、作成したグラフが下記です。

2013年には会社設立件数の合同会社の割合は15.1%でしたが、2023年には28.8%と約3割に達しています。合同会社は2006年5月から始まった新しい会社形態ですが、今後も増加が見込まれます。
取引先や顧客が会社形態を気にする場合もありますが、私の主要取引先は元受けのシステム開発会社であるため、影響は少ないと判断しました。
②資金調達
株式会社は株式による資金調達が可能です。しかし、私の場合は初期費用とランニング費用が少なく、自己資本で賄えるため、特にメリットにはなりません。
③コスト
コスト面では合同会社の方が有利です。

【登録免許税】 株式会社:15万円、合同会社:6万円
【定款印紙代】 両社は変わらず4万円(電子定款の場合は0円)
【定款認証手数料】 株式会社:5万円、合同会社:不要
【定款謄本手数料】 株式会社:2,000円、合同会社:不要
④経営
合同会社は、代表者に権限が集中しワンマン経営になるリスクがあります。しかし、当面は従業員は雇わずアウトソーシングで対応する予定のため、影響は少ないと判断しました。
また、株式会社は役員の任期が最長10年ですが、合同会社は役員への任期の定めがなく、代表社員を継続できる点がメリットです。
Google、Apple、Amazonの日本法人も合同会社を採用しており、会計監査基準を母国のルールで経営することが可能です。
私の結論
以上の理由から、私の状況では合同会社の方が適している結論付けました。
